ウラボシ科ビカクシダ属 プラティケリウム・ビフルカツム ネザーランド(通称:コウモリラン)

ウラボシ科ビカクシダ属 プラティケリウム・ビフルカツム ネザーランドの写真

 ドラマのおしゃれな部屋に飾られていてとってもかっこいい、一風変わった植物が気になってしまいました。調べてみたところ、「コウモリラン」ということがわかりました。

 「コウモリラン」という名前なので、「蘭」の仲間と思いきや和名はビカクシダ(麋角羊歯)と呼ばれる「シダ」の仲間です。他の木や岩石などにくっついて生活する「着生植物」です。

 コウモリランの葉は「胞子葉」、「貯水葉」と呼ばれ、過酷な環境下で生きていくために、特殊な働きをするよう進化しました。

 「胞子葉」は葉の表面は「星状毛」と呼ばれるシルバーにも見える白い毛で覆われていてシカの角に似た形で大きく成長します。そして、葉の裏側には胞子を付けます。

 「貯水葉」にも 「星状毛」 が存在し、株元に新しい葉が出るたびに、自身を覆って成長します。「貯水葉」は自身を木に着生させる支えになる大切な役割を果たしていますが、他にも重要な役割がを持っています。「貯水葉」は、写真(真ん中あたりの部分)のように、枯れて茶色に変わっていきますが、水分や養分を蓄えるスポンジのような役割を果たします。また、上から落ちてくる落ち葉や虫の死がい、鳥の糞などをかき集めることに役立っています。それらは細菌により分解され、株の養分として吸収できる仕組みになっています。驚くことに、なんと自らの枯れた貯水葉も、細菌により分解され、自身の養分に変えてしまうという特徴を持っています。

 この面白い特徴を持ったコウモリランが欲しくなったわたしは数件の花屋さんを回って、吊り下げ型の苔玉を見つけ1500円弱で購入しました。購入した当初は、「胞子葉」が5枚くらいしかなかったのですが、その翌年の夏にぐんぐんと成長し、脇芽(「貯水葉」が先に出てきました)まで発生し写真は購入から1年半たった頃のものです。右と左に1株ずつ2株あるのがわかると思います。

 育ててみてわかったことですが、「胞子葉」と「貯水葉」は交互に生えてくるのではありません。「胞子葉」が3枚生えて、その後に「貯水葉」が3枚生えてを繰り返しているようです。実際にきちんと数えたわけではないので、もしかしたら違うかもしれませんが、交互でないのは確かです。